育て方のこだわり
CLEAVE TO REARING

見浦牧場の飼育方法は…「群飼育」

 子牛は生後10日目頃から、母牛と過ごしている分娩房(産室)を抜け出し冒険旅行に出ます。分娩房には、同じ頃に生まれた子牛が必ず何頭かいるので、友達とイタズラしたり、ケンカしながら、集団のルールを学び始めます。
 それは見浦牧場の特徴の一つである「群飼育」を運営するための最初の訓練の時間です。

※群飼育とは、繁殖牛(母牛)とその子牛を一年中放牧しながら、群れ(集団)で飼う方法です。

 子牛は1ヶ月後、母牛と一緒に群れの中に入り、10ヶ月間牧草地で母牛のミルクを飲み草を食べながらのびのびと過ごし、健康な体を培ってから、肥育舎へと移ります。
 しっかり運動して発達した筋肉の土台の上に、穀物を与えて脂肪をつけていくことで、美味しい猪鍋と同じように、旨味を蓄えた美味しい牛肉になると考えています。
 50年余り「牛肉の本当の美味しさ」を追い求めてきた、見浦牧場の黒毛和牛肉は、最高の味だと自負しております。
 ぜひ一度ご賞味いただき、ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。

美味しい肉の条件とは
CONDITION

猪鍋の美味しい条件をご存じでしょうか?

山漁師の話では、「脂の乗った秋から冬の若い個体」だといいます。野山を走り回った健康な体に、冬を越すための脂肪が充分蓄えられた時だと。
 肉の旨昧は、筋肉の細胞の中にある細胞液の濃さで決まります。それは、適切な食べ物(牧草や配合飼料)と適度の運動によって生まれます。
 昔の牛肉は少し固いけれど、素晴らしい味でした。戦前の牛肉は、大部分が黒牛と呼ばれていた和牛で、トラクターの代わりに役牛として田畑を耕していたので、力の強い大型の牛が大切にされていました。発達した筋肉、強い運動よる濃い細胞液、すなわち濃厚な牛肉の味だったのです。
 現在では役牛は肉牛に変わり、畜舎の中だけで飼育されるので、肉質は柔らかくなりましたが、あの濃すぎるほどの和牛の味は失われてしまいました。

見浦の牧場の手法
TECHNIQUE

ウィンドロウ

刈った牧草を山にしていますが、なぜだかわかりますか?
筋状に草を盛ることで風が通り、牧草が通常より早く乾燥します。短い小板地区の夏に効率よくサイレージ(干し草をロールにしたもの)を作る方法です。